家を売る?貸す?査定額4,500万円で本気で迷った私が出した結論。実質利回り9%台という現実

住まいとお金

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第3章 家を「売るか、貸すか」。私が貸すことを選んだ理由

家を手放すと決めたとき、選択肢は2つあった。

売るか、貸すか。

最初から「貸す」と決めていたわけではない。むしろ、売ることも本気で検討した。この章は、私がその2つをどう比べて、なぜ「貸す」を選んだのかの記録だ。

まず、査定に出した。話はそこからだった

売るにしても貸すにしても、まず知らないといけない数字がある。「この家は、いくらなのか」だ。

私は、不動産会社への査定と、ネットの査定サービスの両方に出した。1社の言い値だけを信じるのは怖かったからだ。火災保険で「相場を知らずに言われるまま契約する」という失敗をした私は、今度は先に相場を知ることから始めた。

出てきた査定額は、約4,500万円だった。

正直、心が揺れた。売れば、まとまったお金が一度に入る。ローンも消える。すっきりした身軽な暮らしが手に入る。「売ってしまおうか」と、何度も考えた。

感情ではなく、数字で比べた

でも、第2章で書いたとおり、私は「あれ?」の正体を数字で確かめる癖がついていた。だから今回も、感情ではなく数字で比べることにした。

貸した場合の家賃を管理会社に相談し、かかる経費を引いて、手元の数字で実質利回りを計算してみた。結果は、9%台。正直、想像より良い数字だった。

さらに、管理会社からはこう聞いた。「この立地なら、借りたい人は多いですよ」。立地の良さは、住んでいた私自身がいちばんよく知っていた。

そして、もうひとつ。私には、その先の目標があった。2棟目の不動産投資だ。1棟目を貸して、きちんと運営できたという実績を作れば、次につながる。売ってしまえばお金は残るが、実績は残らない。

「利回り9%台」「借り手がつく立地」「2棟目への実績」。この3つが揃って、私は貸すことに決めた。

貸すのは、タダではなかった

ただし、貸すと決めてからが、それなりに大変だった。これから「貸す」を考える人のために、正直に書いておく。

まず、初期費用がかかる。人に貸す以上、ハウスクリーニングは必須だし、傷んだ箇所の修繕も避けられない。「貸せばお金が入る」の前に、「貸せる状態にするお金が出ていく」のだ。

次に、管理会社探し。私はここにいちばん気を使った。借り手を見つけてくるのは、結局のところ管理会社の力だからだ。どんなに良い家でも、募集力のない会社に任せたら空室のままになる。

そして、家賃設定。これも悩んだ。私は最初、強気の高い家賃で出した。相場より高くても、この立地なら決まるはずだと考えたからだ。家賃は、一度決めたら簡単には上げられない。最初にどこに置くかは、収支を左右する大きな判断になる。

いまの収支を公開する

結果として、いまの収支はこうなっている。

家賃収入月 約18万8千円
ローン返済(ボーナス払い込み・月換算)月 約7万2千円
管理手数料など月 約1万円台
手残り月 約10万円

あの家は、毎月お金が出ていくだけの場所から、毎月約10万円を生む場所に変わった。第2章で書いた「持ち家コスト月9.7万円」と合わせて考えると、家計の景色が入れ替わったと言っていい。

管理は、プロに任せることを強く勧める

ひとつ、これから貸す人に伝えたいことがある。管理は、管理会社に委託したほうがいい。

私は全委託にしている。手数料の相場は家賃の5〜7%ほど。我が家なら月1万円前後だ。この金額で、入居者の募集、家賃の集金、クレームや設備トラブルの一次対応まで引き受けてくれる。本業を持ちながら自主管理でこれを全部やるのは、正直、現実的ではない。

「手数料がもったいない」と感じるかもしれない。でも、火災保険の見直しで学んだのと同じで、大事なのは金額の大小ではなく、払うものと得るものの中身を自分で確かめることだ。私にとって管理委託は、月1万円で「大家業の実務と心配ごと」を手放せる、割に合う支出だった。

家を「売る」か「貸す」か。判断する3つの軸

ここまで私自身の経緯を書いてきたが、「売る」か「貸す」かで迷っている人のために、私が実際に比べた3つの判断軸を整理しておく。

1. 実質利回り(貸した場合の手残り÷査定額)

家賃収入から、ローン返済・管理費・修繕の見込みを引いた「手残り」を、査定額で割った数字だ。私の場合はここが9%台だった。一般的に、実質利回りが高いほど「貸す」の魅力は増す。逆にここが低い(数%以下)なら、売って現金化し、別の使い道に回したほうが合理的なことも多い。

2. 借り手がつく立地かどうか

どんなに利回りの計算上は良くても、空室が続けば意味がない。管理会社に相談し、「この立地で本当に借り手がつくか」の実感を持つことが欠かせない。私の場合、管理会社から「借りたい人は多い」という言葉をもらえたことが、貸す決断を後押しした。

3. 自分の人生設計に、どちらが合っているか

売れば、まとまった現金が今すぐ手に入る。貸せば、毎月の手残りと引き換えに、管理の手間と空室リスクを抱え続ける。私には「2棟目の不動産投資のために実績を作りたい」という先の目標があったから、貸すことを選んだ。この軸に正解はなく、自分が今後どう暮らし、どう資産を育てたいかで決まる。

売るか貸すかは、査定額を知らないと始まらない

最後に、この章のまとめとして。

売るか、貸すか。どちらが正解かは、家と立地と、その人の人生設計によって違う。うちは「貸す」が正解だったが、立地によっては「売る」が正解の家も間違いなくある。

ただ、どちらを選ぶにしても、出発点は同じだ。自分の家がいくらで売れて、いくらで貸せるのかを知ること。この2つの数字が揃って初めて、比較ができる。私が最初にやったのも、複数の査定を取ることだった。

数字を知らないまま悩むのは、地図を持たずに道を選ぶのと同じだ。まず数字を手に入れてから、悩めばいい。

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次の章では、家族5人が1LDKでどう暮らしているのかを書こうと思う。

ちなみに、この家賃収入が実際どんな場面で助かっているかは、子どもの習い事と送り迎えの記事にも書いている。一括査定を使うと営業電話がかなり来るが、その対処法はこちらに、住宅ローンが厳しいときの3つの出口はこちらにまとめている。 実家の処分を考えている人向けに、実家じまいの流れと注意点はこちらにまとめている。

第4章「狭くなって増えた、家族の時間」へ続く

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