もらい事故は保険会社が示談交渉してくれない。信号待ちで追突された私が自分でやったこと

もらい事故と弁護士費用特約 住まいとお金

信号待ちで止まっていたところに、後ろから追突された。過失割合は10対0。こちらに落ち度はゼロだった。

「保険に入っているから大丈夫だろう」と思っていた。ところが自分の保険会社に連絡すると、相手方との交渉はできないと言われた。修理費も、治療費も、仕事を休んだ分も、全部自分で相手の保険会社とやりとりすることになった。その回数は数十回にのぼった。

当時の私は、これを「安い保険を選んだせいだ」と思っていた。だが調べてみると、そうではなかった。過失ゼロのもらい事故では、どの保険会社も示談交渉を代行できない。法律でそう決まっている。

この記事では、我が家の自動車保険の実額と、事故で分かったことを書く。保険料を比べる前に知っておいてほしい話だ。

我が家の自動車保険は乗用車1台で年18,000円→23,000円

まず実額から出す。乗用車(ファミリーカー)1台分の、任意保険の年額だ。

自動車保険(任意保険)乗用車1台の年額
以前(共済)
18,000円
現在(民間)
23,000円
差額は年5,000円ほど。現在は軽自動車と合わせた2台で年48,860円。

以前は非営利の共済、今は民間の保険会社だ。補償の中身は、大きくは変えていない。それでも乗用車1台で年5,000円ほど上がった。軽自動車と合わせた現在の保険料は、2台で年48,860円だ。

車の維持費全体でみると、保険料は決して大きい項目ではない。我が家の車2台の維持費は年間82万〜87万円で、内訳は沖縄で車2台の維持費は年間82万〜87万円に全部書いた。保険料はそのうちの数%にすぎない。

だから私は今、保険を「安さ」で選んでいない。理由は次の事故の話にある。

過失ゼロだと、自分の保険会社は交渉してくれない

事故のあと、自分の保険会社に連絡した。返ってきたのは、相手方との交渉はこちらではできません、という答えだった。

これは対応が悪かったわけでも、安い保険だったからでもない。弁護士法72条で、弁護士以外が報酬を得て他人の法律事務を扱うことは禁じられている。保険会社が示談交渉を代行できるのは、自分が賠償金を支払う立場にあるときだけだ。

過失割合10対0のもらい事故では、こちらに賠償責任がない。つまり自分の保険会社は1円も支払わない。支払わない立場の会社が他人の交渉を代理すれば、それは違法行為になってしまう。

ここが落とし穴
「こちらが100%悪くない事故」は、被害者にとって一番有利な状況に見える。ところが保険の実務では、自分の保険会社が使えなくなる唯一のケースでもある。大手でもネット型でも共済でも、この点はすべて同じだ。

私はこれを、事故に遭ってから初めて知った。

自分で交渉するとは、具体的にこういうことだった

相手の保険会社とのやりとりは、数十回に及んだ。交渉した内容は大きく3つある。

1. 車の修理費

修理工場の見積もりをそのまま払ってもらえるわけではない。相手の保険会社は自社の基準で金額を見る。こちらは見積書を用意し、なぜその修理が必要なのかを説明する立場に回る。事故の被害者であるはずの自分が、書類を集めて説明する側になる。

2. 治療費と通院

通院を続けていると、どこかの時点で「そろそろ治療費の支払いを打ち切りたい」という話が出てくる。まだ痛みが残っていても、だ。医師の見立てと保険会社の判断が食い違ったとき、その間に立つのは自分になる。

3. 仕事を休んだ分

通院や修理の手配で仕事を休めば、その分の収入は減る。これも当然もらえるものではなく、休んだ事実と金額を自分で示す必要がある。

そして決着までには時間がかかった。その間ずっと、平日の日中に電話をして、書類を送って、また電話をする。仕事と子育てをしながらこれをやるのは、正直かなりこたえた。

金額の交渉そのものより、自分が被害者なのに、常に説明する側にいるという状況が一番しんどかった。

私に足りなかったのは、安い保険ではなく弁護士費用特約だった

過失ゼロのとき、保険会社の代わりに交渉できるのは弁護士だけだ。そして自動車保険には、その弁護士費用を保険でまかなう弁護士費用特約がある。一般的に上限300万円までで、多くの事故はこの範囲におさまる。

保険料は各社で違うが、年間で数千円程度の上乗せで付けられることが多い。我が家の乗用車の保険料(年23,000円)から見ても、決して大きな金額ではない。

当時の私は、この特約を付けていなかった。付けていれば、数十回の電話も、治療費の打ち切り交渉も、弁護士に任せられたはずだ。

いまは2台とも弁護士費用特約を付けている。保険会社を選び直したときに、金額より先に確認したのがこの特約だった。

見積もりを比べるときに、金額と一緒に見る項目
弁護士費用特約付いているか。付いていないなら追加でいくらか
人身傷害過失ゼロでも自分の保険から治療費を受けられる
ロードサービスレッカー距離、バッテリー上がりの範囲
複数台割引2台目以降が安くなるか(沖縄では効きやすい)
保険料同じ補償内容でそろえて比べたか

とくに人身傷害保険は、もらい事故と相性がいい。相手との交渉が決着していなくても、自分の保険から治療費を受け取れるからだ。私が苦しんだ「治療費の打ち切り」も、これがあれば違っていたかもしれない。

車2台の沖縄で、どう考えるか

沖縄では1家族で車2台が珍しくない。保険も2台分になる。1台で年5,000円の差でも、2台・10年で考えれば数万〜10万円の差になる。比べる意味は十分にある。

ただ、我が家が事故を経験して出した結論はこうだ。

  • 一括見積もりは、相場を知るための入り口としては有効だった
  • ただし金額だけを並べても意味がない。補償内容をそろえて比べる
  • そのうえで弁護士費用特約と人身傷害が入っているかを必ず確認する
  • 年数千円の特約をケチると、事故のときに数十時間を自分で払うことになる

保険は「起きる確率は低いが、起きたら自分では対応しきれないこと」に備えるものだ。この考え方は固定費見直しの順番で書いたとおりで、火災保険でも自動車保険でも変わらない。私は事故に遭って、自分では対応しきれないことの中身を、身をもって知った。

見直す前のチェックリスト

  • 今の契約に弁護士費用特約が付いているか確認する(付いていないなら最優先)
  • 人身傷害保険の金額と範囲を確認する
  • 対人・対物・車両保険の補償内容を書き出す
  • 2台持ちなら複数台割引の有無を確認する
  • 同じ補償内容で複数社の金額を比べる

月々の家計簿に出てこない車関連の年間支出(自動車税・車検・保険)は、家計簿に出てこない年間支出は201,300円にまとめています。我が家の毎月の家計の全体像は、沖縄・5人家族のリアル家計簿をどうぞ。

この記事を書いた人

うちなーおとー

沖縄生まれ・沖縄育ち。妻と子ども3人(9歳・6歳・1歳)、愛犬と暮らしています。4LDKの持ち家を売るか貸すかで本気で迷い、いまはその家の大家であり、家族5人で1LDKに住む借り手でもあります。記事の数字は、できる限りわが家の実際の家計から出しています。

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