家を貸したら利回りは何%か。9.6%・8.4%・5.0%になった全内訳

住まいとお金

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。

「家を貸すと、利回りはどれくらいになるのか」

調べてみると、出てくるのは不動産会社や管理会社が書いた記事ばかりだ。計算式の説明は丁寧でも、「実際に貸している人の、実際の数字」はほとんど出てこない。私が貸す側に回る前、いちばん知りたかったのはそこだった。

だからこの記事では、我が家の数字を全部公開する。取得価格、家賃、経費の一つひとつ、初期費用まで。そのうえで、同じ物件なのに利回りが9.6%にも8.4%にも5.0%にもなるという話をしたい。この「利回りの見え方が変わる」という感覚こそ、貸す前に知っておくべきことだと思っている。

まず、物件と数字の前提

我が家が貸しているのは、沖縄にある木造平屋の4LDK。もともと自分たちが住んでいたマイホームだ。売却も検討したが、最終的に売らずに貸すことを選んだ(その判断の経緯はこちら)。

取得価格2,500万円
家賃(月)200,000円
家賃(年)2,400,000円
構造・間取り木造平屋・4LDK(車庫・庭付き)

家賃20万円は、周辺の相場と比べるとかなり強気の設定だ。それでも決められると判断したのは、平屋であること、十分な広さがあること、車庫と庭が付いていること、そして立地。この条件なら需要があると見込んだ。

利回り①:表面利回り 9.6%

まず、いちばんよく目にする「表面利回り」から。計算はシンプルで、年間家賃収入を取得価格で割るだけだ。

240万円 ÷ 2,500万円 = 9.6%

不動産の広告やポータルサイトに載っている「利回り○%」は、ほぼこの表面利回りだ。経費を一切引いていないので、実態より良く見える。

正直に書くと、私が貸すと決めたときに見ていたのも、この数字だった。「9%台」という響きに、かなり背中を押された。

利回り②:実質利回り 8.4%(経費を引いた本当の数字)

実質利回りは、家賃収入から運営経費を引いてから計算する。我が家の経費は、年間でこうなっている。

経費年額内訳
管理手数料184,800円家賃の5%(月15,400円)
固定資産税88,000円
火災保険22,380円10年223,800円を年換算
合計295,180円

240万円 − 29.5万円 = 210.5万円
210.5万円 ÷ 2,500万円 = 8.4%

表面から1.2ポイント下がった。ここで注意したいのは、実質利回りの計算にローン返済は含めないのが一般的だということだ。ローンは資金の借り方の問題であって、その物件が生み出す収益力とは別だからだ。同じ物件でも、現金で買った人とフルローンで買った人では手残りが全然違うが、物件そのものの実力は同じ。それを測るのが実質利回りだ。

ちなみに、私はこの区別を最初きちんと理解しておらず、以前は表面利回りのことを「実質利回り」と書いてしまっていた。これは私の勉強不足だった。同じ間違いをする人は少なくないと思うので、あえて書いておく。

利回り③:手残りベース 5.0%(実際に通帳に残る現金)

では、実際に毎月いくら手元に残るのか。ここにローン返済を加えて計算する。

家賃収入+200,000円
ローン返済(ボーナス払い込み・月換算)−71,700円
管理手数料−15,400円
固定資産税(月換算)−7,300円
火災保険(月換算)−1,900円
手残り約103,000円

年間にすると約124万円。取得価格で割ると、5.0%になる。

9.6% → 8.4% → 5.0%。同じ物件、同じ家賃なのに、何を引くかで数字はここまで変わる。

どれが「正しい」というより、使う場面が違うと考えたほうがいい。物件同士を比べるなら表面利回り、その物件の収益力を見るなら実質利回り、自分の家計にいくら入るかを知りたいなら手残りベース。私が生活の実感として見ているのは、もちろん最後の月10万円だ。

もう一つの視点:査定額で割ると4.7%になる

ここまでは取得価格2,500万円を分母にしてきた。でも、売るか貸すかで迷っている人には、もう一つの計算をすすめたい。いまの査定額で割ってみることだ。

我が家の査定額は約4,500万円だった。これで計算すると、実質利回りは4.7%まで下がる。

なぜこの計算に意味があるかというと、売れば4,500万円が手に入るからだ。その4,500万円を別の運用に回したときに4.7%以上のリターンが見込めるなら、貸し続けるより売ったほうが合理的、という判断もありうる。貸すという選択は、「4,500万円を貸家という形で運用し続ける」ことと同じ意味を持つ。

それでも私が貸すことを選んだのは、利回りの数字だけで決めなかったからだ。借り手がつく立地であること、そして2棟目につながる実績を作りたかったこと。この2つが数字を上回った。

貸し出す前にかかった初期費用は197,120円

利回りの話には出てこないが、貸すまでにお金は出ていく。我が家の初期費用は197,120円だった。ハウスクリーニングと、傷んだ箇所の修繕が中心だ。

「家賃が入る」の前に「貸せる状態にする支出」がある。ここを見落とすと、最初の数ヶ月の資金繰りで慌てることになる。

とはいえ、手残りが月約10万円あるので、約1.9ヶ月で回収できた計算になる。初期費用は一度きりで、家賃は毎月入り続けることを考えれば、必要な投資だったと思っている。

空室期間はゼロだった。その理由

利回りの計算には、実はもう一つ大きな前提がある。満室であることだ。空室が1ヶ月あれば、その年の利回りは実質8.4%から7.7%程度まで落ちる。計算上どれだけ良い数字でも、借り手がいなければ意味がない。

我が家は幸い、空室期間ゼロで貸し出せた。これは運が良かっただけではなく、仲介業者と相談したうえでの動き方が効いている。

私たちがまだ住んでいる間に、募集と内覧を始めたのだ。退去してから募集を始めると、その間はまるまる空室になる。でも入居中から動いておけば、退去のタイミングで次の入居者にバトンを渡せる。実際、私たちが出た直後に入居してもらえた。

生活感のある状態で他人に家の中を見せるのは、正直、気を使う。それでも、空室1ヶ月は20万円の損失だ。天秤にかければ迷う理由はなかった。

まとめ:利回りは「一つの数字」ではない

種類計算我が家使う場面
表面利回り年間家賃 ÷ 取得価格9.6%物件同士を比べる
実質利回り(年間家賃−経費) ÷ 取得価格8.4%物件の収益力を見る
手残りベース(家賃−経費−ローン) ÷ 取得価格5.0%家計にいくら入るか
査定額ベース(年間家賃−経費) ÷ 査定額4.7%売るか貸すかを比べる

広告に「利回り9%」と書いてあっても、それが手元に9%残るという意味ではない。逆に、表面利回りが低く見えても、経費が小さく借り手が安定していれば悪くない物件もある。数字を一つだけ見て判断しないことが、いちばん大事だと思っている。

そして、これから貸すかどうかを考えている人にとって、最初の一歩は変わらない。自分の家の数字を知ることだ。取得価格はもう分かっている。あとは、いくらで貸せそうかと、いくらで売れそうか。この2つが揃って初めて、この記事の表と同じ計算ができる。

売却査定は、貸すことを検討している人にとっても無駄にならない。査定額が分かれば、上の表の「査定額ベース」の計算ができるようになり、貸し続けることの意味を数字で確かめられるからだ。

無料でマイホームの売却査定額を調べる

※ミライアスのスマート仲介(不動産一括査定サービス)の公式サイトに移動します

貸すと決めてから入居までの全工程はこちらの手順記事にまとめている。売るか貸すかで迷った経緯は第3章に、持ち家に住んでいた頃のコストは第2章に書いている。住宅ローンの返済がきついと感じている人向けに、3つの出口を整理した記事もある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました