※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。
「沖縄で家を持つなら、賃貸と持ち家、結局どっちが得なの?」
この手の議論は、ネットにあふれている。でも、そのほとんどは「持ち家派」か「賃貸派」、どちらか一方の経験しかない人が書いたものだ。持ち家の良さを語る人は賃貸の実感を知らないし、賃貸派は持ち家の重みを知らない。
私は、その両方を経験している。しかも、ただ住んだだけではない。4LDKのマイホームに住み、それを手放すときに売却も検討し、最終的には人に貸す「大家」になり、いまは自分自身が1LDKの「賃貸生活者」でもある。
持ち家・売却検討・賃貸経営・賃貸生活。この4つの立場を全部くぐり抜けた上で、「沖縄で、賃貸と持ち家、どっちがいいのか」に、自分なりの答えを出してみようと思う。
持ち家だった頃:数字を知らずに「持ち家は資産」を信じていた
私たち家族は、かつて木造4LDKのマイホームに住んでいた。天井が高く、庭も車庫も広い、自慢の家だった。「家を持ってこそ一人前」だと信じ、ローンを組んで手に入れた家だ。
でも、実際に家計を書き出してみたら、月々のローン返済(5万円)だけでは済んでいなかった。固定資産税、火災保険、浄化槽の清掃費、そして築6年目あたりから増え始めた修繕費まで足すと、持ち家にかかる本当のコストは月9.7万円だった(詳しい内訳はこちら)。
「持ち家は資産」という言葉を、私は数字も知らずに信じていた。これが、持ち家側から見た、最初の実感だ。
沖縄の家は、台風という「見えない維持費」がある
持ち家のコストの話をするとき、沖縄では本州以上に意識しておくべきことがある。台風だ。
毎年のように大型台風が来る土地で、屋根や外壁、雨どい、カーポートは着実に傷んでいく。私が経験した「築6年目あたりから設備の不具合が増えた」という感覚(エアコン、コンロ、トイレの故障)も、沖縄の気候と無関係ではないはずだ。火災保険を見直したとき、風災の補償だけは手厚く残した(この経緯はこちら)のも、沖縄で持ち家を維持するなら、台風は「たまに来る災害」ではなく「毎年発生する経費」として見ておく必要があると学んだからだ。
賃貸なら、この台風による修繕は基本的に大家の負担だ。持ち家なら、自分の負担になる。沖縄で暮らすなら、この差は本州よりも大きいと感じている。
大家になって分かった、持ち家の「資産」としての顔
次に、大家としての経験を書く。
あの家を手放すとき、私は売却と賃貸経営の両方を検討した。査定に出したら、約4,500万円の値がついた。まとまったお金が入る魅力はあったが、最終的に選んだのは「貸す」ことだった。理由は、実質利回りが9%台と良好で、立地的に借り手がつく確信もあったからだ(詳しい経緯はこちら)。
結果、あの家は毎月お金が出ていくだけの「負債」から、毎月約10万円の手残りを生む「資産」に変わった。同じ家、同じ場所。変わったのは、住む人としての私から、貸す人としての私に、立場が変わっただけだ。
この経験から言えるのは、「持ち家=資産」でも「持ち家=負債」でもなく、住み続けるか、貸すかという使い方次第で、持ち家の顔は変わるということだ。
いま賃貸生活者として:狭さと引き換えの自由
最後に、いま賃貸生活者としての実感を書く。
我が家はいま、家族5人と愛犬1頭で1LDKの賃貸に住んでいる。家賃は約9万円、うち2万8千円は職場の住居手当でまかなえるので、実質の負担は月6万2千円だ。持ち家時代の9.7万円と比べれば、住居費だけで見ても月3.5万円軽くなった計算になる。
広さは半分以下になったが、失ったものより、得たもののほうが大きかった。家族が集まる時間が増え、会話が増え、子どもたちは以前より安心して過ごせるようになった(詳しくはこちら)。そして、突発的な修繕費に怯える必要もない。設備が壊れても、直すのは大家の仕事だからだ。
賃貸のいちばんの価値は、この「身軽さ」だと思っている。家族の形が変われば、住み替えればいい。持ち家では、そう簡単にはいかない。
結論:「どっちが得か」ではなく、「どちらが今の自分に合うか」
持ち家・売却検討・賃貸経営・賃貸生活。4つの立場を経験して、私が出した結論はこうだ。
「持ち家と賃貸、どっちが得か」という問いの立て方自体が、実はあまり意味を持たない。持ち家は、住み続ければ重い負債になりうるし、貸せば安定した資産になる。賃貸は、身軽さと引き換えに、資産としては何も残らない。どちらにも、良い面と悪い面がある。
大事なのは、「得か損か」を一般論で探すことではなく、いまの自分の家族にとって、何にお金と時間を使いたいかを、数字で確かめることだ。私たち家族は、身軽さと、家族の時間と、心の余裕を選んだ。だから、狭い家を選んで、後悔していない。
沖縄で家を持つか、借りるか迷っているなら、まず自分の家(またはこれから住む家)の本当のコストを書き出してみてほしい。そこから、あなたにとっての答えが見えてくるはずだ。
参考までに、我が家の持ち家時代と賃貸のいまを、実数字で比較した記事もこちらにまとめている。
もし今、持ち家に住んでいて「うちはどっちが得なんだろう」と迷っているなら、まず自分の家がいくらで売れるのかを知ることから始めてほしい。数字が分かれば、売る・貸す・住み続けるの比較ができるようになる。


コメント