沖縄移住で後悔しないために。地元民が正直に伝える

沖縄暮らしの家計

「沖縄移住はやめとけ」

検索すると、こういう記事がたくさん出てくる。読んでみると、書いているのはほとんどが移住した人自身だ。理由もだいたい共通していて、給料が安い、物価が高い、人間関係が独特、というあたりに落ち着く。

それはそれで正しいのだと思う。ただ、私はこの島で生まれ育った側だ。移住者を受け入れる側から見て、何が起きているのかを書いておきたい。給料や物価の話は別の記事にまとめたので、この記事では「人との距離感」に絞って書く。

玄関前に、誰が置いたか分からない野菜が置いてある

特に田舎のほうでは、近所付き合いが今でもかなり濃い。実家にいたころ、朝起きると玄関前に採れたての野菜や果物がそっと置かれていることがあった。誰が置いていったのか分からないことも多い。

移住してきた人がまず戸惑うのは、たぶんここだと思う。「これ、お返ししなきゃいけないんじゃないか」と身構えてしまう。でも、沖縄の人は基本的に見返りを求めない。もらったらそのままありがたく食べればいい。どうしてもお返しがしたいなら、お盆の時期にお中元、正月にお歳暮を持っていく、くらいの感覚で十分だ。

「カメーカメー攻撃」と模合、そして夜のエイサー

野菜だけではない。特に沖縄のおばあちゃんたちの「カメーカメー(食べて食べて)攻撃」はすごい。断っても断っても勧められる。「もらっていけ」と押し付けられることもある。

それから、模合(もあい)や自治会の行事もある。地域によっては月に数回、集まりがある。夏にはお盆やエイサー祭りが多く、夜23時ごろまで大音量でエイサーの太鼓が鳴り続けている地域もある。この文化的背景を知らずに来ると、正直かなり戸惑うと思う。

正直に言うと、私もこのタイプが苦手だ

ここまで読んで、「地元の人間だから、この密なコミュニティを当然良いものとして書くんだろう」と思うかもしれない。

正直に書く。私自身、こういう強いコミュニティ意識を負担に感じる部類の人間だ。沖縄県はコミュニティ意識が強い分、それが負担になる人も少なくないと思っている。地元で生まれ育った私でさえそうなのだから、外から来た人が戸惑うのは当然だと思う。

ただし、これは沖縄全体に一律に当てはまる話ではない。近所付き合いや自治会の強制力が薄い場所も、ちゃんと存在する。私の実感では、比較的都会に行くほど、その密度は薄くなる。那覇などの都市部と、田舎の集落とでは、体感がまったく違う。

もし移住を考えていて、こうした濃い付き合いに不安があるなら、最初から那覇に近いエリアを選ぶという選択肢がある。逆に、地域に深く溶け込みたい、そういう温かさを求めているなら、あえて田舎のほうを選ぶのもいいと思う。

「ウチナータイム」は本当にある

「ウチナータイム」という言葉を聞いたことがある人もいると思う。約束の時間にきっちり集まらない、というものだ。これは間違いなく実在する。「〇〇時から開始」と決めて、その時間ぴったりに全員が揃った記憶が、正直あまりない。

ビジネスの場ではさすがに時間は守られることが多いが、地域の集まりや親戚付き合いでは、この感覚を知らないと戸惑う場面が出てくると思う。

車社会・割高な物価・そして方言

生活面でも、移住者が想像しにくい不便さがある。

沖縄には鉄道が通っていないため、基本的に車社会だ。一人1台が前提になる。生活費の記事にも書いたが、これは移住のコストを見誤りやすいポイントだ。

離島県であるがゆえに、ネット通販の送料が有料になることも多い。スーパーの商品も、輸送コストが上乗せされて割高になりがちだ。それでいて所得は全国的に低い水準にある。物価は高いのに、稼ぎは少ないという構造が、生活費の面ではっきり効いてくる。

そして、田舎に行けば行くほど、英語よりも沖縄方言のほうが理解の壁になる。おじいちゃん・おばあちゃん世代との会話で、何を言っているのか分からず戸惑う場面は珍しくない。

それでも、他にはない良さがある

ここまで、正直に大変な面を書いてきた。それでも最後に言っておきたいことがある。

人のあたたかさは、他にはないと思う。見返りを求めずに野菜を置いていってくれる文化は、裏を返せば、それだけ人と人との距離が近いということだ。そして、海に行くだけで心が整う。これは沖縄で暮らしていて、本当にそう感じる。

まとめ:合う人と合わない人がいる

「沖縄移住はやめとけ」という言葉は、半分正しくて半分正しくないと思っている。強いコミュニティ、ウチナータイム、方言、割高な物価。これらが本当に嫌なら、確かに苦労する。私自身、コミュニティの濃さは正直しんどいと感じるタイプだ。

でも、それを含めて楽しめる人、もしくはエリアを選んで距離感を調整できる人には、他では得られない温かさがある島だと思う。移住を考えているなら、この記事に書いたことを踏まえたうえで、自分がどちらのタイプか、正直に考えてみてほしい。

生活費の実額についてはこちらの記事に、5人家族の家計の全項目はこちらにまとめている。

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